【富山】 富岩運河環水公園 :雪と光と漆黒の水面が交差する

富山駅北口から徒歩わずか9分。都市の喧騒を抜けると、突然、漆黒の水面に光の線が引かれた別世界が広がる。富岩運河環水公園(通称・環水公園)である。面積9.7ha、富岩運河南端の船溜まりを整備した富山県立の都市公園で、日本の歴史公園100選にも選ばれた水と緑の名所だ。

この公園の前身をたどると、明治期の治水事業にまで遡ることができる。神通川は富山市中心部で大きく蛇行し、たびたび洪水を引き起こしていた。そのため富山県は1901〜1903年にかけて川の直線化工事に着手。工事で生まれた広大な廃川地の対策として、東岩瀬港から富山駅北まで延長4.758km、幅最大60.9m、水深2mの閘門式運河を掘削する計画が立てられた。

こうして誕生したのが富岩運河である。運河はその後、北前船交易を支える物流の動脈として機能したが、昭和中期以降は道路輸送への移行により役割を終え、埋め立て計画すら検討された時期もあった。

転機となったのは1985年以降、都市部の貴重な水面として見直されたことだ。1989年、富山県はカナルパーク指名設計競技を実施し、株式会社環境デザイン研究所の提案が最優秀案に選定された。建築主は富山県。1988年に整備着手、1997年7月に開園式、そして1999年11月4日に公園のシンボル・天門橋が完成した。

その後も小運河や人工島「あいの島」の整備が続き、2011年に全体が完成している。2013年には第29回都市公園コンクールで最高賞である国土交通大臣賞(設計部門・大規模)を受賞。

公園のシンボルである天門橋は全長約58m、幅員6m。両端に高さ20.4m・地上3階建ての展望塔を持ち、SRC造の塔がケーブル状の構造で橋を支える独特のシルエットを描く。ふたつの展望塔は赤い糸電話で結ばれるという粋な演出も施されている。

周辺には、2008年にスターバックスのストアデザイン賞最優秀賞を受賞した「世界一美しいスターバックス」、建築家・内藤廣氏設計の富山県美術館(2017年全面開館)、そして富山駅北口正面に立つ展望施設・富山市役所展望塔など、見どころが凝縮している。運河クルーズ「富岩水上ライン」で国指定重要文化財・中島閘門へも足を伸ばせる。

アクセスは、北陸新幹線・富山駅北口から徒歩約9〜10分。車・レンタカーの場合は北陸自動車道・富山ICから約15分、公園周辺に駐車場(172台分・2026年3月より有料化)がある。金沢駅からは北陸新幹線で約20分、大阪・新大阪駅からは同約2時間、東京駅からは約2時間10分で富山駅に到達できる。




中央の巨大なクリスマスツリー状のイルミネーション。放射状に光のラインが広がり、積雪した地面や運河の水面に反射している。


千利休
千利休

この闇の中に浮かぶ光の柱は何じゃろう? まるで、深い黒茶碗の中に一筋の光が差し込んだようじゃのう 。

古田織部
古田織部

これは現代のイルミネーションというものにございます。 扇のように広がる光の筋……この大胆な空間の使い方は、まさに数寄の心を感じさせますな 。

千利休
千利休

光が水面に映り、実像と虚像が混ざり合っておる。「主客同一」……客と亭主の境が消えるように、光と影もまた一つになろうとしておるかのうじゃ 。

古田織部
古田織部

左様! この完璧な左右対称をあえて崩したくなるほどの輝き……実に乙でございますな。



雪景色の中、公園に面して建つスターバックス コーヒー富山環水公園店のガラス外壁から橙色の光が漏れ出す。白と黒に支配された冬の夜に、店内の暖かさだけが滲み出るような情景。ガラス越しに人の気配が感じられ、外の静寂との対比が際立っている。

千利休
千利休

あの暖かな光が集まる館は何じゃろう? 人々が器を手に、何かを飲んでおるようじゃが……

古田織部
古田織部

あれこそが現代の茶室、「スターバックス」という処にございます。ガラス張りの開放的な空間、まさに拙者の「燕庵」のように光を取り込んでおりますな 。

千利休
千利休

ほう、あそこで人々は一服の安らぎを得ておるのか。「茶の湯とは、ただ湯をわかし、茶をたてて飲むばかり」……時代や場所は変われど、本質は変わらぬようじゃのう 。

古田織部
古田織部

左様、 格式張ったヒエラルキーを溶かし、誰もがコーヒーを片手に語り合う。これぞ現代の「主客同一」。 ここでの一期一会は、実に乙なものに違いありませんな。

深夜の公園に佇む屋根付きベンチ。白く積もった雪の上に暖色のライトが落ち、冷たいはずの雪面が柔らかく輝いて見える。光の温もりが孤独な情景に静けさを与えている。


千利休
千利休

闇に輝く黄金の光、そして純白の雪。余計な色をすべて飲み込む「黒」を背景に、雪の白さが際立っておる。 「和敬清寂」……この静けさの中で、あの屋根だけが物語っておるようじゃ。

古田織部
古田織部

雪が無いときはただの椅子に過ぎないものが、雪が積もるだけでこれだけ見事な景になるのですな。

千利休
千利休

雪が積もる天門橋を撮影しに来たんじゃが、今回はこのベンチが個人的には一番感じ入るのう。

古田織部
古田織部

柔かい光が降り積もった雪の柔かさをより柔らかくしていますね。


富岩運河環水公園のシンボル天門橋は、両端の展望塔を「運命の赤い糸」をイメージした赤いLEDが結ぶ橋。地上約20mの展望塔からは公園全体や立山連峰を一望できる。


千利休
千利休

あの二つの塔を結ぶ赤い筋は何じゃろう? 暗がりに一点の紅……目が覚めるようじゃのう 。

古田織部
古田織部

宗匠、あれは「運命の赤い糸」を模した光だとか、左右の塔の堅牢さと、細い赤のコントラスト……これは「崩しの美」の極致ですな。

千利休
千利休

なにやらあの赤い線は糸電話にもなるようじゃのう。

古田織部
古田織部

左様です。カップルが左右の塔に登り会話することができます。

千利休
千利休

なるほどのう、せっかくじゃからワシらもやって・・・

古田織部
古田織部

シュールな光景になるので自重しましょう。





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